自然な木目が特徴のGRAYNE®(グレイン)は、ワンランク上の住まいを演出できる外壁材として、味わいと趣を求める方に選ばれています。製造メーカーであるアメリカ・ミシガン州BORAL社のJim Parks氏に、GRAYNE®(グレイン)の特徴と日本のカスタマーに求めることを伺いました。
日本の住宅について、どんな印象を持たれていますか?
Jim 日本へ来るのは今回で4度目ですが、日本の建物のデザインは概して周りの自然に調和するように作られていると思います。英語でいうところの、ハーモニー(harmony)が取れているということです。特に印象に残ったのは、箱根で見た建物です。周囲は森に囲まれていたのですが、その空間に建物が違和感なく溶け込んでいたのを覚えています。
アメリカの建物はそうではないのですか?
Jim もちろん、アメリカでもそういったことを重視するオーナーもいますが、どちらかというと、その時々の流行を意識した建物が多い印象がありますね。
アメリカでの最近のトレンドとはどんなものなのでしょう?
最近人気なのは、異素材を組み合わせたデザインです。例えば、石と組み合わせたものは見本市などでもよく見かけますね。最初はアッパークラスの家から火がついて、徐々にミドルクラスの家庭でも取り入れるようになりました。
そういう意味で言えば、日本で最近増え始めているのが、御社のGRAYNE®(グレイン)のような樹脂サイディングです。日本でGRAYNE®(グレイン)はどのように受け入れられるとお考えでしょうか。
Jim 私はGRAYNE®(グレイン)は日本の市場に好意的に受け入れられるだろうと考えています。その理由は、最初に言ったような、日本人の住宅に対する考え方にあります。日本は国土の7割が山林で、昔から日本の住宅は木を多用してきたと聞いています。自然との調和、そして木への親しみの感情は日本人の特徴だと思うのです。
日本人にとって馴染みがある質感だということですね。
Jim そうだと思います。BORAL社では以前、溶岩のテクスチャを模した外壁材を販売したことがあります。主に、ハワイで販売するために作られたその製品は、とても高評価を受けました。ハワイには火山がたくさんあり、溶岩は身近なものだったからです。やはり、その土地の暮らしや文化に根差したものは受け入れられやすいと思います。
ちなみに、GRAYNE®(グレイン)は何の木を再現しているのですか?
Jim シダーというアメリカ東海岸原産の針葉樹で、ヒノキの仲間です。住宅建材にはよく使われる木材のひとつですが、建てた後、時間の経過とともに徐々に色が変わっていくのを楽しむことができます。GRAYNE®(グレイン)の6つのカラーバリエーションのうち、トリーテッドシダー、ヴィンテージブラウン、ハーベストシェイド、エイジドグレイン、トスカーナゴールドの5つはレッドシダーなのですが、それぞれ少しずつ色の深みが違います。経過年数の違うカラーバリエーションを揃えているのです。
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つまり、建築後何年くらい経ったレッドシダーの色合いが好みか、ということで選べるというわけですね?
Jim その通りです。しかもそれだけの年数が経つのを待つことなく、新築時に好みの色合いの外観が手に入るのです。これは樹脂サイディングのメリットのひとつです。また、本物の木材はメンテナンスが大変です。好みの色になる前に、腐食したり汚れがひどくなってしまったりすることも珍しくありません。そうしたリスクを考えずにすむのも、樹脂サイディングだからこそです。
GRAYNE®(グレイン)の残り一つの色、ヘリテイジグレイは何の木なのでしょう?
Jim ホワイトシダーです。レッドシダーでもブリーチ(漂白)をすればこうした色になります。
それにしても、GRAYNE®(グレイン)の木目は、まるで本物のように自然ですね。これはどのようにしてデザインされたのですか。
Jim 実際に木を伐り出して、断面をそのまま忠実にコピーしたのです。木目が9種類、組み合わせが8通りあるため、パネルとしては72パターンあることになります。これだけのパターンがあれば、チープなプリントのように見えず、まるで本当の木を使っているように施工することができます。
日本でGRAYNE®(グレイン)がどのような展開を遂げることを望まれますか?
Jim 今後、多くの方にGRAYNE®(グレイン)の良さを知ってほしいとは思います。ただし、GRAYNE®(グレイン)を使った家がとにかく増えればいいと思っているわけではありません。GRAYNE®(グレイン)の特徴を生かした、素晴らしいデザインの住宅が作られることで、多くの方に良いイメージを持ってもらいたいと考えているのです。
家というのは、通常、限られた人しかその中には入りません。家族や友人など、ほんの一握りの人しかその内部を見ることはないのです。それに対して、外観ははるかに多くの人の目に触れます。隣近所の人はもちろん、通勤や通学などで朝晩必ず家の側を通る人もいるでしょう。実際のところ、そこに住まう人よりも近隣の人のほうが長い時間、また頻繁に外観を見ているということも珍しくないのです。そうした状況において、外観から受ける印象は、まさにその家に住まう人に持つイメージと重なるのではないでしょうか。これは、非常にアメリカ的な発想なのですが、自分の家がそれを見る人に好ましい印象を与えるというのは、非常に気持ちが良いものです。
その気持ちは、日本でも同じだと思います。
Jim 近隣の人たちが、GRAYNE®(グレイン)を使った家を見るたびに良い印象を持ち、それによってその家に住まう人が素晴らしい気持ちになること、さらにそうした機会が日本のあちこちで増えることを、私は願っています。