アメリカンハウスの象徴ともいえるカバードポーチには、たくさんのメリットがありますが、中には意外なデメリットも。今回は、カバードポーチで後悔しないために!ウッドデッキとの違い、失敗しないプランのポイントをご紹介しましょう。
カバードポーチとは?ウッドデッキとどう違う?
アメリカンハウスでお馴染みのカバードポーチですが、ウッドデッキとはどこが違うのでしょうか。
カバードポーチとは家から外に張り出した「大きな屋根付きのスペース」のことで、多くの場合屋根は柱や壁で支えられています。ウッドデッキとは建物の外側に地面よりも高く設置した木の床のことをいいます。
カバードポーチの床には、ウッドデッキだけでなく、タイルやモルタル、人工芝など様々な仕上げ方法があり、目的やデザインに合わせて選びます。
アメリカンハウスではカバードポーチが付いていて、外壁をラップサイディングで仕上げたデザインの家が多く見られます。
カバードポーチのスタイルには、このように玄関ポーチを兼ねたものだけでなく、リビングや寝室の前に設置したり、家をぐるりと回りこむように設置したり、さまざまなデザインがあります。
カバードポーチのメリットとデメリット
カバードポーチのメリットは、屋外空間を幅広い用途で使えるようになること、そして外観デザインを豪華に見せてくれるところにあります。
リビングに接したカバードポーチは、室内からの続き間のような存在になり、使い勝手のいい楽しいアウトドア空間になります。玄関に接したカバードポーチは、玄関まわりにゆとりを生み出しつつ、外観デザインを豪華に引き立ててくれます。
屋根があるカバードポーチは家の外と内のちょうど中間的存在です。内外を緩やかにつなぎ、また大きな屋根が雨よけや日よけの役割を果たすので室内を快適に保つ効果もあります。
カバードポーチには意外なデメリットもあります。
家の外周に屋根付きスペースを設けるのですから、敷地に余裕が必要になり、費用もかさみます。特に限りある敷地に無理に作ると、家の中が狭くなってしまう、お隣と近過ぎてくつろげないといったことが起きます。
また柱で支えられた屋根に囲まれた部分は建築面積に参入されることに注意が必要です。建ぺい率がぎりぎりの場合は作るのが難しくなるでしょう。
また屋根によって日差しが遮られるため、室内が暗くなってしまうことがあります。カバードポーチを生活空間に活用したい場合は、奥行きに1.2m以上が必要になります。日当たりが欲しい部屋の外に奥行きの深いカバードポーチを付けると、室内が暗くなるので注意をしましょう。
カバードポーチの後悔、失敗しないプランのポイント
カバードポーチの後悔でよく聞くのが、作ったはいいけれどほとんど使えていないというものです。失敗しないプランのポイントは、そこで何をするのか目的をはっきりさせて、それに合わせて動線計画や必要面積をしっかり検討することにあります。
例えばサーフィンを楽しむのに道具のお手入れなどをしたい場合は、家に入る前、帰宅経路の途中にスペースを設けるように計画をします。
同じようにアウトドアリビングにしたいならリビングやキッチンから行き来がしやすい位置に作る、DIYなどの作業をしたい場合は物置や水場と近い位置に作るなどの工夫をしておくと、使いこなせるようになります。
その際あまりに狭いときゅうくつで居心地が悪くなります。カバードポーチはゆとりのためのスペースですから、面積にも少しゆとりをもって広めに計画をすると、快適な空間になります。もちろん、室内が暗くなり過ぎないように、日射と方位をよく吟味することも大切です。
仕上げ材にも注意が必要です。屋根があるとはいえ屋外空間ですから、室内より紫外線や風雨に晒されやすい分、耐久性が高い材料を使いましょう。耐久性が低い材料を使うと、その分メンテナンスコストがかさみます。
カバードポーチが付いた家の施工事例
こちらはカバードポーチがついたアメリカンハウスです。まるでドラマに出てくるような外観デザインで、天井からブランコが取り付けられています。
この天井から吊り下げることができるのもカバードポーチならではの楽しみです。人気のハンモックも下地の補強でしっかりと取り付けることができます。こんな空間でゆらゆらとハンモックに揺られたら、心から癒されそうですね。
外壁は北米ではスタンダードな樹脂製のラップサイディング、ゼオンサイディング®を使用。ウッドデッキも木目の樹脂製を使用しています。
カバードポーチはメリットがたくさんある楽しいスペースです。失敗しないプランのポイントは、設置の目的をはっきりさせること!上手に計画して楽しいわが家にしてくださいね。