近年、樹脂サイディングが素材として注目されています。とくに寒冷地にお住まいの方などには、金属サイディングに代わる選択肢として検討されている方も多いのではないでしょうか。納得いくサイディングを選ぶには、素材の特徴を把握することが必要です。この記事では樹脂サイディングと金属サイディングの違いを10項目で比較していきます。
樹脂サイディングと金属サイディングの違いを徹底比較!
樹脂サイディングと金属サイディングは、デザインなどが似ているものありますが、じつはそれ以上に大きな違いがたくさんあります。この記事では、家づくりを検討されているお施主様に注目してほしい10の項目で両者を比較してみました。
①軽くて地震などの際に建物に被害が及びにくいのは?
ご存じの通り日本は地震国であり、対策が欠かせません。地震は家屋を大きく揺らしますので、家が倒壊してしまうのを防ぐには、構造を強くするか、軽い材料で家を作ることが重要になります。
そこで、まず金属サイディングと樹脂サイディングの製品重量を比較してみました。
- 金属サイディング:5~6kg/㎡程度
- ゼオン化成の樹脂サイディング「ロイヤルたて張りSタイプ」:1kg/㎡
- ゼオン化成の樹脂サイディング「ロイヤルよこ張り」:2kg/㎡
窯業系サイディングは20kg/㎡と言われるぐらいなので、金属サイディングも樹脂サイディングも製品としては、外装材としては軽量であると言えるでしょう。中でも樹脂サイディングは特に軽く、それだけ柱や建物の構造に与える負担を軽減でき、地震などの際に建物に被害が及びにくいと言えます。
②メンテナンスの手間と費用を抑えられるのは?
外装材の性能を維持するためには、一般的に、定期的な塗装の塗り替えやシーリングの打ち替えなど、多くの手間と費用がかかります。
金属サイディングは、立地条件に応じて汚れやほこり、塩分などを落とす作業が年1回~4回程度必要です。シーリングや塗装に異常が見られたり、さびが発生していたりしたら、補修も必要になります。塗装やシーリングは10年程度ごとに行う必要があります。
一方、樹脂サイディングは、本体、役物の継目にシーリングを使用してないので打ち直しの必要もなく、汚れやほこりを落とす簡単なセルフメンテナンスだけで長く美観と機能を維持できます。
つまり、金属サイディングに比べて樹脂サイディングはメンテナンスの手間と費用が大きく抑えられると言えます。
③さびや塗装のはがれの心配がないのは?
さびの発生や塗装のはがれは、外装材の外観を損なってしまいます。
特に金属サイディングは、さびが発生しやすい素材なので、塗装を行って素材を水分から守る必要があります。いったん塗装が剥げ、さびが発生してしまうと外観が損なわれるだけでなく、基材の性能そのものを脅かしてしまうので、定期的なメンテナンスは欠かせません。張替えともなると改修には大きな費用がかかりますので、こまめに補修することが必要になります。
これに対して樹脂サイディングは錆びることはありません。塗装ではなく、顔料が練り込まれた製品なので、塗装がはがれることもありません。塗料も樹脂なので、色が褪色することはありますが、ゼオン化成の樹脂サイディング(ゼオンサイディング®)は、著しい部分的変退色が起こらないことを最長30年間保証しています。
④暴風や衝撃にもしっかり耐えるのは?
地域によっては、台風や竜巻によって屋根や外装が剥がれてしまう被害に遭うことも考えられます。
金属サイディングは下地に直接ビスを打ち込み、シーリングをして密閉し、風を内側に入り込まないようにしており、風圧に耐える設計です。ただし、テレビなどで、風に煽られて引き剝がされる映像をご覧になった方もいるかもしれません。金属サイディングは通気層を必要とするので、暴風には注意しなければならないのです。
樹脂サイディングも軽いので、金属サイディング同様に台風などで飛んでいってしまうと思われるかもしれませんが、正しい施工を行えば、風速50メートル/秒程度の台風にしっかり耐える設計になっています。つまり、風によって剥がれないようにするには、金属サイディングも樹脂サイディングも、正しく施工されていることが肝心となります。
一方、衝撃についてですが、金属サイディングではあまり衝撃への耐性に関する具体的な試験数値などを積極的に公開されていないようです。一般的には凹む、傷つく、強い衝撃では穴が開くといったことが考えられます。
樹脂サイディングは、多少の衝撃ならその弾力性によって吸収されるため、割れたりしません。氷塊などの強い衝撃を受けたり、先の尖ったものがぶつかったりすれば、さすがに割れることもあります。
いずれにしても、金属サイディングや樹脂サイディングは薄くて軽いので、衝撃には注意した方が良いでしょう。
⑤デザインや色の豊富さは?
自分らしい家づくりを考えるなら、デザインが豊富な外装材を選びたいですよね。
金属サイディングは、その素材感を生かしたシャープでモダンスタイルが主流で、最近では他の素材感を表現したデザインのバリエーションも増えているようです。
対して樹脂サイディングのデザイン・カラーバリエーションは、比較的絞り込まれています。その中でも、ゼオン化成の販売する樹脂サイディング(ゼオンサイディング®)は、洗練されたグレード感と重厚感あふれる鮮やかな色彩、陽射しに映える美しさが、塗装では不可能な美観を演出します。また、本物の木の断面を忠実に再現したシリーズも登場しています。
品揃えでは金属サイディングにかなわないかもしれませんが、個性的な表現ができる樹脂サイディングも魅力的です。
⑥放湿性が良いのは?
「放湿性」とは、壁の中で発生した水分を外部に放出する性能のことです。
壁の中で結露が起きると、木が腐ったり、金属サイディングの場合はさびが発生する原因になるので、壁構造では「放湿性」があることが求められます。
金属サイディングは通気性に乏しく、湿気を嫌う素材です。塗装やシーリングによってさらに通気性を下げてしまうため、壁裏面に通気層を設けて湿気を除去する必要があります。この通気口は吸気と排気それぞれを適切な位置に設けないと空気が通りにくくなります。
樹脂サイディングも通気性がない素材ではありますが、金属サイディングのようにシーリングは使わず、また立体的なデザインなので、通気層をあえて設けなくても自然に通気され、壁裏面の乾燥を維持できます。また樹脂サイディングは、裏面の湿気に対しても素材への影響が少なく、不具合を生じにくいというメリットがあります。
⑦寒冷地での使用については?
寒冷地では凍害が起こる可能性があり、窯業系サイディングではひび割れなどの被害が起こることがあります。
金属サイディングは凍害の心配はおおむね不要ですが、シーリングなどは劣化が進み、状態によっては端部にさびが発生する可能性もありますので、定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。
一方、樹脂サイディングは塩化ビニル樹脂が原料ですので、水分を吸収せず、寒冷地での凍害の心配はありません。
⑧塩害地域での使用
塩害地域では、潮風などの影響があり、金属などにさびを発生させます。
金属サイディングは、素材・塗料とも潮風の影響を受けて劣化する場合があります。そのためにメンテナンスの頻度が一般的な地域にくらべて多くなります。
これに対して、樹脂サイディングは塩化ビニル樹脂でできているため、さびとは無縁です。海岸に近い住宅など塩害が心配な地域であればおすすめできる外壁材です。
⑨施工可能な業者の数が多いのは?
外壁を長持ちさせるためには、アフターケアを含めてしっかりと施工してもらうことが必要です。
金属サイディングを施工する業者は、板金業者の数だけあると言えるほどたくさんあります。
一方、樹脂サイディングは金属サイディングよりもシェアが低いため、現在のところ、施工できる業者はまだ限られています。ただ、数は少なくても、樹脂サイディングの施工業者は、樹脂サイディング施工のプロフェッショナルとして積極的に情報発信しているところが多いので、良い業者を見つけやすいと思います。
施工業者は数で選ぶのではなく、しっかりと話を聞いてもらえ、永くお付き合いできるところに依頼しましょう。
⑩コストパフォーマンスが良いのは?
最終的には、やはりコストのことが気になると思います。
ネットで検索してみると、「樹脂サイディングは価格が高い」という情報を目にするかもしれません。
しかし、これまで説明したように、項目別に比較してみると、金属サイディングはメンテナンスに多くの手間と費用がかかることをご理解いただけたと思います。
施工後30年まで見すえたトータルの維持費も含めれば、さびなどの心配があり、定期的な補修が必要な金属サイディングより樹脂サイディングが高いことには決してなりません。
むしろ、コストパフォーマンスという点では樹脂サイディングのほうが実は良いと言えるかもしれません。
樹脂サイディング(ゼオンサイディング®)と金属サイディングの比較研究! まとめ
樹脂サイディングは扱っている業者が少ないため、工事の相談や契約までに多少時間がかかることもありますが、契約し、工事が終われば、メンテナンスの手間を抑えて、長期間使えます。金属サイディングで気になるさびの心配も要りません。その上、軽くて丈夫なことは大きなメリットになります。
日本における樹脂サイディング取扱いトップシェアを誇るゼオンサイディング®には、洗練して選び抜かれたデザインや色のバリエーションがあります。外壁にはぜひゼオンサイディング®の活用をご検討ください。