築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

築30年を超えたら、この先また30年以上を快適に暮らせる家にリフォームをしておきましょう。その際に押さえておきたいのが、「住宅性能の向上」「生活スタイルの変化」「メンテナンス性」の3つのポイントです。間取りや設備選び、外回りのリフォームの工夫で、これまで以上に快適に、そしてローコストに暮らしましょう。

築30年で建て替えかリフォームか悩んだら。それぞれのメリットを知っておこう

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

築30年を超えると悩むのが建て替えかリフォームか。今の家の状態によってどちらを選べばいいかが変わります。

築30年を超えると悩む人が多いのが建て替えかリフォームか、どちらを選んだらいいかということ。木造住宅の寿命は、法廷耐用年数は22年ですがこれはあくまでも税金上の話のこと。適切なメンテナンスをしていれば60年以上は十分にもちます。

もちろん同じ築30年の家でも、これまでのメンテナンス歴などによって家の状態は変わり、中には建て替えを選んだほうがいいケースもあります。これが分からないまま悩んでいても適切な判断ができませんので、まずは地元の工務店など住宅の専門家に家の状態を診断してもらうところから始めるといいでしょう。

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

リフォームのメリットは、使える部分を残せるのでコストの削減がしやすいこと、また予算に合わせて優先順位を決めて計画が立てやすいところにあります。

建て替えとリフォームのそれぞれのメリットも知っておきましょう。

建て替えのメリットはプランの自由度にあります。また耐震や省エネなど最新の「住宅性能」を備えた家にすることができます。住宅性能は、地震への強さや断熱性能など、命の安全を守り、快適性や住む人の健康、先々に掛かるランニングコストにも大きく影響を与える大切な部分です。

リフォームのメリットは、使える部分を残すことができるので廃棄物が少なく、また住みながらの工事なら引っ越しや仮住まいの費用が不要なのでコストの削減ができるところにあります。またリフォームでも住宅性能の向上をすることができ、予算に合わせて計画を立てやすいのが大きなメリットです。

築30年でも適切なリフォームをすれば、この先30年以上を快適に暮らせる家にすることが可能な時代です。後悔をしないリフォームにするために、「住宅性能の向上」「生活スタイルの変化」「メンテナンス性」の3つのキーワードから、まずは住宅性能の向上についてご紹介しましょう。

築30年を超えた家は耐震・省エネ性能をチェック!安全で維持費が安い家にする

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どの程度の耐震リフォームが必要か、まずは住宅診断を受けてみるのもおすすめです。

築30年を超えていたらわが家の住宅性能を確認しましょう。住宅性能には耐震性能や省エネ性能などがあり、この先の暮らしの安全性や快適性、ランニングコストにも大きくかかわってきます。築年数が古い家はこれらの性能が低く、そのままでは快適に暮らし続けることが難しい場合もあります。

耐震に関しては一定以上の性能を持つよう法律で定められていますが、その法律も時代と共に更新されているので、建てられた年代によって地震への強さが変わります。

木造住宅の場合は1981年が大きなターニングポイントとなっていて、その年より前に建てられた家は地震に弱い構造をしています。2000年にも一部変更があり、それ以前の家は金物が不足しているなどの可能性があります。

またシロアリや雨漏りの被害などにより構造部が傷んでいると、更に耐震性能は落ちてしまいます。家族の命を守り安心して暮らすためにも、まずは住宅の点検と耐震診断を行ない、適切な耐震リフォームを行なっておきましょう。

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

古い家は断熱性能が低く、光熱費がかさみがちに。健康にもよくありません。断熱性能を向上させるリフォームを忘れずに行っておきましょう。

次に省エネ性能を確認しましょう。省エネ性能とは、家の断熱性能と冷暖房や給湯などの消費エネルギーに関する性能で、暮らしの快適性や光熱費、住む人の健康を左右します。

省エネ性能が高い家なら、小さなエネルギーで冬を暖かく夏を涼しく過ごすことができ、その分光熱費も安く済みます。また冬に寒い家は健康に悪いという調査結果(※)もあり、断熱性能が高い家なら健康的に暮らすことができます(※断熱改修等による居住者の健康への影響調査/国交省)

省エネ性能を向上させるリフォームには、天井や床、壁に断熱材を入れる、内窓を取り付ける、断熱性能が高い窓に交換する、省エネタイプの給湯器に交換するなどの方法があります。こちらは耐震性能と違って法律で定められた基準がなく、必要なリフォームは地域によって異なりますので、地元の工務店などとよく相談をしながら、進めましょう。

30年前の間取りと今の間取りはここが違う!間取りリフォームのポイント

築30年ということは、30年前の生活スタイルに合わせて建てられた家ということ。そのままの間取りでは、暮らしにくい部分が各所にあります。リフォームの際には「生活スタイルの変化」を考え、間取りの変更も視野に入れて計画を立てるといいでしょう。

昔の家は部屋が細かく区切られ、床に段差がある

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築年数が古い家は、床に段差があることが少なくありません。リフォームの際には段差の解消を行なっておきましょう。

昔の間取りと今の間取りの違いについていくつかご紹介しましょう。

以前は部屋数が多く、応接間や台所、食堂、居間、来客用の和室などそれぞれの目的に合わせて部屋が作られていました。今の時代は、和室が減り、また家族みんなで快適な時間を過ごせるようLDKを広く取り、一体化したプランが人気です。

リフォームの際はキッチンをより明るい場所へ移動させ、家族の顔を見ながら料理ができるよう対面スタイルにしたり、和室を洋室化してリビングを広げたりなどの間取りの変更をすることで、これからの生活スタイルにあった暮らしやすい家にすることができます。

また以前の家は床に敷居などの段差があることが多く、バリアフリーとは言えない作りでした。リフォームの際には、床の段差は無くし、階段には手すりを付けるなど、バリアフリーリフォームも忘れずにしておきましょう。

家事の仕方が昔と今とでは違う

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設備を新しくするだけでなく、家事の連携がしやすい間取りにしておくと毎日が快適になります。

家事を楽にするための間取りも変化しています。以前は、炊事はキッチンで腰を落ち着けて行うものだったため、他の家事との連携に関してはあまり考えられていませんでした。

現在は、家事をまとめてこなしたいと考える人が増えています。リフォームの際には、キッチン~洗濯室~干し場への移動がしやすいように考えると、家事の連携がしやすい間取りになります。

またシステムキッチン、システムバス、便器など水まわりの設備も進化しています。水まわりの寿命はおよそ20年が目安です。

収納の面積と形が変化している

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引き出し式の収納は奥行きを効率よく活用できるスタイルです。

昔の家は収納が少なく、また押入れが中心のため衣類や小物を収納するのには不便でした。

今の家は、以前よりも収納面積が増え、また引き出し式や奥行きいが薄い収納が人気になるなど形状も変化しています。リフォームの際には、収納面積を増やしつつ、出し入れのしやすい収納計画を立てましょう。

減築リフォームの選択肢も

使わない部屋があったら減築して家をコンパクト化するリフォームもあります。減築のメリットは、性能向上のリフォーム費用の削減ができる、先々のメンテナンス費用を削減できる、隅々まで目が届きやすいので防犯性能が高まる、生活動線が短くなるので便利に暮らせるなどのメリットがあります。

メンテナンス費用がかさむ屋根や外壁は長寿命な材料を選ぶ<リフォーム事例紹介>

築30年を過ぎたリフォームでは「メンテナンス性」についてもしっかり検討しておく必要があります。特に屋根や外壁など外まわりは、家を守る大切な部分で、劣化が進むと構造部にまで被害を及ぼすことがあります。またメンテナンスの費用がかさむところでもあります。

大事なことは長寿命な材料や工法を選んで、この先のメンテナンスを楽にしておくことです。長寿命な材料や工法は初期コストが高くなるケースもありますが、メンテナンスの回数が減ればトータルでは安くお得になります。

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

築33年リフォーム前の様子。
冬に寒く、冬場は隣家に雪が落ちる悩みもありました。またキッチンやシステムバスなど水まわり設備の老朽化も感じていました。

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

築33年リフォーム後の様子。
外壁、屋根、断熱、水まわり、内装のリフォームをした事例です。既存の外塀に合わせて外壁をカラーコーディネート。外壁材は長寿命な樹脂サイディングを選び、この先を長く快適に暮らせる家になりました。
(写真提供/江田建設

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

窓は断熱性能が高い樹脂窓に交換。内装もリフレッシュして新しい住まいに生まれ変わっています。
(写真提供/江田建設

こちらは築33年のリフォームの施工例です。冬になると家の中が寒く、お隣りの敷地に屋根の雪が落ちるのが気になっていました。またキッチンや浴室など設備も老朽化が進んでいました。

そこでこの先を快適に、そして安心して暮らすために、屋根、外壁、断熱、暖房、システムキッチンやシステムバスなどの水まわり、内装のリフォームを行ないました。

屋根には落雪対策を行ない、外壁には樹脂サイディングを選んでいます。樹脂サイディングは、耐久性が極めて優れていて、他のサイディングで使われているようなシーリング(コーキング)を打つ必要がないので打ち替えの必要がありません。

また表面を塗装しているのではなく顔料を練り込んであるので、剥げや色あせの心配が少なく、汚れても水洗いだけで簡単にキレイになるなど、先々のメンテナンス費用を大きく削減することができます。これならこの先の30年を安心して暮らすことができそうですね。

築30年のリフォームを成功させるポイントは、「住宅性能の向上」「生活スタイルの変化」「メンテナンス性」の3つをしっかり押さえておくことにあります。間取りや設備選び、外回りのリフォームの工夫で、この先を長く快適に、そしてローコストに暮らしましょう。

外壁をコスパよくリフォームするためにどんな材料や工法を選べばいいかは下記で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。

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2020.01.24

 

著者プロフィール

築30年でやっておきたいリフォーム。間取りや設備、外まわりなど押さえておきたい3つのポイント

Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー

長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中