切妻屋根はシンプルだからこそどんなデザインにも合う屋根形状です。日本はもちろん世界中でよく見られる形状で、アレンジ次第で様々な外観デザインを作ることができます。
今回は、切妻屋根をおしゃれに見せる外観デザインの工夫、海外や日本の切妻屋根の外観デザインの事例をご紹介します。
目次
赤毛のアンが住んでいた緑の切妻屋根、世界的に人気のシンプルな形状
切妻屋根とは、2枚の面を伏せたような山形の屋根形状のことをいいます。日本はもちろん、世界各国で多く見られるスタイルで、赤毛のアンの原題「Anne of Green Gables」は、緑色の切妻屋根の家に住むアンという意味です。
切妻屋根はシンプルな形状なので、勾配(屋根の傾き)や装飾品などでアレンジがしやすく、選んだ壁材の色や素材感でイメージが大きく変わるので、様々な外観デザインを作ることができます。
ただしシンプルだからこそポイントを押さえておかないと、平凡な雰囲気になってしまったり、バランスが悪く見えたりしてしまうことも。また切妻屋根は妻側(屋根の棟に垂直な面)の壁面が大きく見えるので、壁材選びも重要になります。
様々な事例を見て、切妻屋根の外観デザインをおしゃれに見せるポイントを押さえておきましょう。
北欧の切妻屋根の家は急こう配の三角屋根。おしゃれ度満点な山小屋デザイン
切妻屋根はこう配によってイメージが大きく変わります。こちらは北欧の木造住宅で、シンプルなフォルム、急こう配の屋根、たて張りの美しい外壁が特徴的です。
急こう配の切妻屋根は、屋根が大きく見えるので豪華な印象になり、山小屋のようなかわいらしさを演出することもできるなどおしゃれ度満点!
このようなデザインは、正面から見ると外壁面が大きく見え、横から見ると屋根面が大きく見えるので、屋根材と外壁材をしっかりコーディネートするのがおしゃれに見せるポイントです。お互いを引き立てるよう、屋根材や外壁材の色や素材感にこだわって選びましょう。
これらの事例の共通点は、妻側から見た時に屋根が左右対称になっていることです。左右対称な屋根の形は安定感があり、微妙に崩れると落ち着かない印象になってしまうことがあります。デザインアレンジであえて非対称にする場合には、左右の差をはっきりつけて分かりやすく見せることが大切です。
北米の切妻屋根の家はドーマーや装飾付き。華やかさと豪華さを演出したデザイン
切妻屋根はシンプルなので、装飾によってイメージが変わります。こちらは北米でよく見る木造住宅のデザインです。切妻屋根を複数組み合わせたり、ドーマー(屋根に取り付けられた小さな三角屋根の窓)や縁取り装飾を取り付けたりすることで、華やかで豪華な印象になっています。
ドーマーには小屋裏に光や風を取り込む役割があり、切妻屋根のデザインのアクセントとしてよく使われています。こちらの画像は大きな切妻屋根にドーマーが3つ連続で取り付けられていて、外観デザインを華やかに引き立てています。
外壁材は立体感がある木目デザインの樹脂サイディングを使用、ドーマー付きの屋根と美しくコーディネートしています。北米ではデザイン性と機能性を両立させる外壁材として樹脂サイディングが広く普及しています。
切妻屋根の楽しみには、妻側の三角形の壁や破風(屋根の端にある板の部分)に取り付ける妻飾りがあります。様々なデザインや取り付け方があり、シンプルなフォルムの切妻屋根を華やかに演出してくれますので、わが家ならではの装飾を楽しみましょう。
モダンデザインの切妻屋根。建物のフォルムを美しく見せるバランス
切妻屋根はシンプルモダンにも似合います。美しく見せるポイントは、全体のフォルムの美しさを見せることにありますから装飾は控えめに、屋根のこう配、壁と屋根が見えるバランス、窓の位置や面積の割合に徹底的にこだわりましょう。
バランスを整える際には、黄金比を取り入れる方法もあります。黄金比とはおよそ1:1.618の割合のことで、安定感があり美しく見えるバランスとして知られています。屋根と外壁、窓と外壁の見え掛かりなどを黄金比に沿って整えていくようにすると、バランスよく感じられます。
シンプルなフォルムを美しくバランスよく見せた急こう配の切妻の家<国内事例-1>
こちらの画像は切妻屋根の新築の事例です。見え掛かりが大きい急こう配の切妻屋根には天窓を3つ連続で取り付けてメリハリを効かせ、外壁は立体感があるクリーム色のラップサイディングを使用。一部に木目を配することで、モダンになり過ぎず、ナチュラルな優しい雰囲気の外観デザインになっています。
シンプルなフォルムの切妻の家は、屋根や外壁が大きく見えるため、ともするとのっぺりとしがちですが、窓のレイアウトや外壁選びの工夫でバランスよく美しく見せることができます。
切妻屋根に大きなカバードポーチをプラスしたリゾートスタイルの家<国内事例-2>
こちらの画像は、緩やかなこう配の切妻屋根に大きなカバードポーチを組み合わせたカリフォルニアのリゾートスタイルの家の事例です。カバードポーチとは屋根付きのデッキのことをいい、お茶を飲んだり、趣味を楽しんだり、アウトドアリビングをめいっぱい楽しめるスタイルです。
外壁は白のラップサイディングで立体感を演出、妻側には左右対称に灯り取りの窓が並んでいます。こんなおしゃれな家で毎日を暮らせたら楽しそうですね。
切妻屋根はシンプル、モダン、クラシック、北欧、アメリカン、もちろん和風にも似合う万能な屋根形状です。こう配やデザイン、外壁材選びにもこだわって、理想のわが家を目指してくださいね。
下記にシンプルな外観の家をおしゃれに演出するアイデアをご紹介しています。切妻の家をステキに見せるアイデアもありますので、ご覧になってみてください。