家の外観デザインをおしゃれに決めるポイントは、外壁の素材と色選びにあります。今回は、人気のデザインの中から、シンプルモダン、ナチュラルモダン、和モダン、南欧風スタイル、アメリカンスタイルの5つのテイストを上手に作るコツをご紹介します。
目次
シンプルモダンは無駄をそぎ落とした現代的なデザイン。汚れに強い外壁材を選んで
シンプルモダンとは、その名前の通り現代的でシンプルなデザインのことです。余分な装飾はできるだけそぎ落とし、シャープなラインと素材感を活かします。
モダンテイストを作る外壁の素材は、コンクリートや金属、ガラスなど無機質なイメージのものが向いています。例えば、コンクリートの打ちっぱなしやフラットなモルタル仕上げ、シャープな印象のサイディングなどを選んで、スタイリッシュに決めましょう。
外壁の色は、白やグレー、黒などのモノトーンを中心に、少し青みを加えた濃いネイビーも似合います。
シンプルモダンをおしゃれに見せるコツは、色のトーンにメリハリをつけて、コントラストを際立たせることです。全体のトーンを統一して、玄関ドアや壁面の一部に赤色や青色などの原色を使ってアクセントにするのもステキです。
注意点は、モダンな外観は家の造形の美しさを見せるスタイルのため、屋根の庇や雨戸、シャッターなどを付けないことが多く、外壁が汚れやすいことです。
ナチュラルモダンはインテリアでも人気のデザイン。外壁のアクセントに木目を
ナチュラルモダンは、現代的なデザインにナチュラル感を加えたスタイルです。ナチュラルモダンはインテリアでも人気のスタイル。シンプルでスッキリとしたデザインに木などの自然素材を加えることで、温もりのある優しい雰囲気の家になります。
外壁の素材は、木目が映えるものをベースに選んで。例えば、フラットなモルタル仕上げや、シンプルなデザインのサイディングで、木目を美しく際立たせましょう。
木目部分は、本物の木材を使うと劣化の不安がありますが、木目調のサイディングならメンテナンスがラクで美しさが長持ちします。イマドキは木の質感をリアルに再現した高耐久なサイディング材もあるので、上手に選びましょう。
外壁の色は、白やベージュを選ぶと木目とコーディネートがしやすく、清潔感が出ます。よりモダンな印象を強めたい場合は、ウォームグレーを選ぶと、木目とのコントラストが効いてかっこよく決まります。
ナチュラルモダンをおしゃれに見せるコツは、全体の色数を絞ることです。色数が多いと、木目がアクセントとして際立たず、雑然とした雰囲気になってしまうので注意をしましょう。まずは全体のカラーバランスを整えてから、木目を入れる位置を決めましょう。
和モダンはスタイリッシュな現代和風デザイン。和のカラーでシックにまとめて
和モダンは、和のテイストが感じられる現代風のデザインです。新しさがあり、街並みでもハッと目を引く存在感があります。
和モダンは、水平ラインを強調したデザインでモダンさを演出しつつ、和カラーを使って落ち着きを生み出します。また木の縦格子や枡格子など、和を感じさせるアイテムをアクセントに使うと、一層雰囲気を盛り上げることができます。
外壁の素材は、塗り壁が多く見られますが、和風のサイディングもあります。日本では昔から羽目板と呼ばれる板を連続して張る工法があり、和モダンにもサイディングはよく似合います。
外壁の色は黒や紺、濃茶、土色など、自然素材の色や、日本で昔から使われている和カラーを選びましょう。
和モダンをおしゃれに見せるコツは、玄関ドアや面格子、フェンス、門扉なども、デザインを合わせてコーディネートすることです。格子は存在感が大きく目立つので、全体で見て統一感があるようにコーディネートしましょう。
南欧風スタイルは自然素材を魅せる家。アイアンのアクセサリーをアクセントに
南欧風スタイルは、南フランスやスペイン、イタリアなど地中海沿岸でよく見られるデザインです。特徴は何と言っても、カーブを描いたオレンジ色のスペイン瓦やフランス瓦で、日本でもオレンジ色の屋根はお馴染みでしょう。
南欧風スタイルは、自然素材を使った鮮やかな色使いが特徴です。外壁の素材は漆喰(しっくい)などの塗り壁が多く、立体感があるコテ跡のパターンを楽しみます。外壁の色は、白やアイボリーなどの明るい色が中心で、オレンジ色や黄色もよく似合います。
おしゃれに見せるコツは、アクセサリーを使って華やかな雰囲気を出すことです。アプローチや玄関、バルコニーまわり、建物のコーナー部分などに、レンガやテラコッタ風タイルを張ったり、アイアンの面格子や妻飾りを取り付けたりなどして、雰囲気を盛り上げましょう。
注意点は、漆喰は適切なお手入れをすれば長持ちをする外壁材ですが、工事に高い技術が必要で、コストが高くなりがちなことです。手軽に漆喰の雰囲気を味わいたい場合は、漆喰調と呼ばれる塗料やサイディングがあるので、検討してみるといいでしょう。
アメリカンスタイルは憧れの洋館のような家。ラップサイディングで華やかに
アメリカンスタイルは重厚感があり、豪華で華やかなイメージ、憧れの洋館のようなスタイルです。
ひと口にアメリカンスタイルと言っても、厳密に言えばコロニアルやクイーンアンなど様々な様式がありますが、共通しているのが、流行に左右されないオーソドックスなデザイン、立体感がある外壁、太い窓枠、そして美しい色使いです。
外壁の素材は、ラップサイディングと呼ばれる、重ね張りの外壁材が基本です。本場の北米では、デザイン性と機能性を両立させることができる樹脂製のサイディングが主流となっています。
外壁の色は、白や青、赤、ベージュ、グリーンなど様々で、白く太い窓枠とメリハリを利かせると華やかでおしゃれな印象になります。
リフォームでも洋館のようなアメリカンスタイルの家にすることができます。こちらは、もともとクリーム色のモルタルの外壁の家でしたが、アメリカ製のラップサイディングを張り、大変身しました。
こちらの樹脂サイディングは、今ある外壁材の上から張って仕上げるカバー工法が使えます。リフォームだと、外観はあまり変えられないと思いがちですが、外壁の選び方次第で、理想の外観デザインに近付けることができます。
今回は人気の外観デザイン、モダン、シンプルナチュラル、南欧風、アメリカンスタイル、和モダンの5つのテイストの特徴と、上手な外壁材選びについてご紹介しました。
どのテイストにしても、外壁はいったん工事をしたら長く使うもの。デザイン性の高さはもちろん、機能性やメンテナンス性もしっかり見極めて選んでくださいね。
コスパよく外壁リフォームをする方法や、上手な外壁材選びの基本は下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。