悪質な訪問セールスの巧みな手口に注意!我が家の外壁リフォームのタイミングは?

訪問セールスが来ても自分だけはだまされない!と思っていませんか?しかし油断は禁物です。悪質な訪問セールスは専門用語を使って心の不安に入り込み、甘い言葉で契約を誘います。

国民生活センターに寄せられた被害状況を見ると、誰もが被害者になる可能性があり、決して人ごとではありません。今回は、外壁リフォームで見られる悪質な訪問セールスの手口と、その対策方法をご紹介します。

居留守が使いにくい?思わず顔を出す「あいさつ商法」

「あいさつ商法」のおかげで、本当にリフォームをするべき時期なのかどうか迷ってしまうことも。

自分だけは大丈夫という油断は禁物です。悪質な訪問セールスは弱い部分を巧みに突いて、様々な罠を仕掛けてきます。よくある手口は「あいさつ商法」「不安商法」「点検商法」「見本工事商法」です。それぞれどんな手口か、その概要と対策方法をご紹介しましょう。

「あいさつ商法」は、「いまご近所で外壁リフォームをやっているので、ごあいさつにやって来ました」などと言って訪問してきます。ご近所の工事のあいさつと聞けば、お付き合いもありますし、ついドアを開けてしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし話をよく聞いてみると、すごく遠いところでの工事で我が家には関係なさそうだったり、どこでやっているかは言葉を濁してあいまいだったり。そのうちにお宅の外壁の様子も良くないですねなどと言い出し、言葉巧みに玄関の中に入り込んできます。

いまどきはリフォームの営業が訪問して来ても、ドアを開けて応対する人はなかなかいませんが、近所の工事のあいさつと言えば面談できる可能性が上がるため、悪質な訪問セールスに利用されやすいのです。

恐怖から美味しい話へ「不安商法」「点検商法」「見本工事商法」のコンボ

何となく気になっていた外壁のひび。そんなところに難しい言葉で不安をあおられると動揺してしまいます。

ドアが開いたら「不安商法」に突入です。「外壁にヘアクラックがあり毛細管現象で水が浸入しつつあります。このままでは構造上重要な部位まで腐食し、耐震性能が落ちて倒壊の危険があります」などと、専門用語を駆使して消費者の不安をあおります。

この情報は全くの嘘というわけではなく、何年も放置をしていれば、実際にそういう状況が起こりえますので、外壁のことをよく知らない人が聞くとすごく怖く感じられます。何千万円もかけて建てた家がダメになったらどうしよう、誰かに見てもらった方が良いかもしれない、そんな風に思わせるのです。

この時点で消費者は不安な気持ちでいっぱいです。そこで「点検商法」です。「これも何かのご縁ですから無料で点検をします」と持ち掛けます。

そして最後のとどめが「見本工事商法」です。「お宅の家は目立つので、広告宣伝費の分を値引きして半額でやらせてください」といった甘い言葉をささやきます。食料品や衣類などで半額セールに慣れていると、すごく得をした気分になりますが、リフォーム工事の場合は、半額になるということは、もともとその金額程度の価値しかありません。悪質な場合はその半額の価値すら無いものが多いので、甘い言葉に乗るのはとても危険なことなのです。

自分だけは騙されない?狙う側はこんな家をターゲットにしている

屋根、床下、そして外壁の劣化状況を見極めるのはなかなか難しいもの。
タイミングよくメンテナンスをすることが大切です。

それにしても、分かっているはずなのになぜ悪質な訪問セールスの言葉に不安になってしまうのでしょうか。実はこの不安こそが付け込まれる要因になっています。

狙う側は不安に陥れやすい家を、外から見極めて狙っています。住宅リフォーム紛争処理支援センターによると、狙われやすい家の特徴は大きく2つ、古くて傷みがありそうな一戸建ての家、それから子供たちが出たあとの夫婦や老人ひとり暮らしの家です。

つまり、住宅についての知識があまりなく、修繕や定期的なメンテナンスをしないまま放置していて、また適切な相談相手が居なさそうな人が狙われています。

家には部位ごとに適切なメンテナンスのタイミングがあります。タイミングよく修繕やメンテナンスをしていれば、安く健康に家を維持し続けることができるのですが、屋根、床下、そして外壁のメンテナンスに関しては、一般の人が劣化状況を見極めるのは難しく、誰かに何かを言われると、「そういえば前にメンテナンスをしたのはいつだったっけ」「このままで大丈夫なのかしら」「家がダメになったらどうしよう」と不安でいっぱいになってしまいます。

そんな状況で、信頼できる相談相手が居なければ、正確な判断ができないまま、悪徳セールスに押し切られてしまうのです。

我が家の外壁はまだキレイ、それって本当に大丈夫?

我が家の外壁が何で仕上げられているか、またその適切なメンテナンスの時期を知っていますか?

今どきの一戸建ては、きちんと修繕やメンテナンスをしていれば70年以上もつのが当たり前の時代です。そしてそうすることが、結果的には家族の安全や資産を守ることにつながります。悪徳訪問セールスに惑わされず、家を適切に維持し続けるために、まず我が家のメンテナンスの時期を知っておきましょう。

木造住宅の場合は、構造部分は木でできています。木は本来寿命が長いものですが、水に弱い性質を持っています。外壁は、その大切な構造部分を守るレインコートのようなもの。タイミング良く定期的にメンテナンスをすることで、我が家を健康な状態に保ち続けてくれます。

その際に注意したいのが、「まだキレイだから大丈夫」という思い込みです。見た目がキレイなことと、性能を保持しているかは別の問題で、見えないところで劣化が進行していることも少なくありません。まずは我が家の外壁が何で仕上げられているかを確認し、適切なメンテナンスの時期を知っておきましょう。

外壁のメンテナンス時期は10年おきが基本、メンテナンスが楽な外壁材も

外壁リフォームではモルタルからサイディングへ、窯業系サイディングから樹脂系サイディングへといったように、仕上げを変更すると、その後のメンテナンスの手間がずいぶん変わります。

築30年より古い家の場合で多いのは、モルタル下地に塗装仕上げです。メンテナンスの時期は使われている塗料の種類によって変わり、また雨や日差しの当たり具合でも劣化速度が異なりますが、だいたい10年おきが基本です。

築30年より新しい家で多いのはサイディング仕上げです。サイディングとはパネルのようなボードを外壁に貼って仕上げるもので、材質には金属、窯業、木質、樹脂などがあり、それぞれメンテナンスの時期が違います。

窯業サイディングの場合はボードを繋ぐシーリングの打ち替えや表面の塗り替えがおおよそ10年おき、金属サイディングのメンテナンス時期は少し長めで15年程度ですが、塩害がある地域は劣化が早く進みます。日本では台風がくると全国で塩害が報告されますので注意しましょう。木質は7~8年おきと他の外壁材より頻繁なメンテナンスが必要になります。樹脂サイディングは施工にシーリングを使っていないため打ち替えがないだけでなく、顔料が材料に練り込まれているので変色や退色もほどんどありません。また、錆びや凍結によるひび割れもないなど、メンテナンスがとても楽な素材です。

これらは立地条件によっても変わりますので、近所で評判の良い工務店に住まいの点検を依頼し、我が家の現状を正しく知っておきましょう。家を適切に、そしてお得に維持し続けるためには、人にホームドクターがいるように、家にもホームドクターが必要です。

我が家の外壁リフォームのタイミングを知り、信頼できる相談先があれば、どんな悪質な訪問セールスがやってきても自信をもって撃退できます。

 

著者プロフィール

Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー

長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中