北欧デザインの配色をヒントに自分らしい家づくり

北欧デザインの配色をヒントに自分らしい家づくり
(写真提供/royal building products)

北欧のデザインはナチュラルで親しみやすく、それでいてお洒落。そんな暮らしを楽しく演出するデザインの秘密は、実は北欧ならではの配色にあります。今回は、北欧スタイルの家づくりで色が重要な理由や、色が与える効果、配色の美しい住宅事例をご紹介します。

 北欧デザインで色が重要視される理由とは

北欧デザインの配色をヒントに自分らしい家づくり

北欧デザインの色彩は自然からインスピレーショを得ています。

北欧デザインで色が重要視されるのは、気候が大きく関係しているからです。北欧の人々は、キャンプやハイキング、釣りや水泳といった自然の中で過ごすアクティビティが大好きです。ところが、北欧の暗く長い冬の間は屋外でアクティビティを楽しめません。太陽の陽射しが少ない室内で多くの時間を過ごさなければならないのです。

厳しい冬を乗り切るためには、家の中を少しでも明るくして、できるだけ自然に近い雰囲気をつくる必要がありました。北欧デザインの明るく心地よい色づかいは、こういった北欧の地特有の気候下で暮らしていくための大切な要素なのです。

色が与える効果とは

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グレイッシュブルーの壁がおしゃれなインテリア。白くペイントした木製家具やナチュラル素材を合わせるとより北欧スタイルに。外壁を同じ色調でコーディネートするのも素敵です。

北欧の暗く長い冬の間は陽射しが弱いため、室内の雰囲気が沈んでしまい、気持ちも落ち込みやすくなります。そこで、この憂鬱な空気感を取り除いて明るい気持ちにしてくれる白やオフホワイト、パステルカラーといったニュートラルでやわらかい色が壁によく使われようになりました。これらの色は、光を反射しやすくして室内を明るく照らし、清潔な印象を与える効果があるのです。

また、室内をできるだけ自然環境に近いイメージにするために、家具にはナチュラルな色合いの白やクリーム、グレイッシュブルー、グレーが多く使用されます。黒も多く取り入れられ、空間に美しいコントラストをもたらす役割をしています。

北欧デザインの配色をヒントに自分らしい家づくり

ブルーのラップサイディングに白い窓枠を合わせて外観の印象も明るく。
(写真提供/royal building products)

配色が生む明るく心地よい空間

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光が入らない部屋こそ明るい色づかいで楽しい雰囲気に。配色に悩んだら、鮮やかな色は小物で取り入れましょう。

北欧ならではの配色がもたらす室内環境を向上させる効果は、その国の気候に合わせて生まれたものですが、北欧以外の場所でも役立ちます。例えば、高いビルに囲まれているような立地や日当たりが悪い北側の部屋の場合、家の中に自然光はあまり入ってきません。しかし、北欧らしい配色や自然素材を取り入れることで、明るく軽やかな空間が生まれ、部屋の印象を高められるのです。

北欧のミニマルな生活スタイルとリンクしている配色

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ニュートラルカラーは穏やかな気持ちにさせてくれます。

北欧の配色は、ナチュラルなアースカラーやグレイッシュカラー、花のような優しい色合いのフローラルカラーといった穏やかな色調が特徴的です。鮮やかな色を取り入れることもありますが、それでも全体的にニュートラルな色を基調とした傾向です。

このような北欧で好まれているニュートラルな色には、物の本質を見極めやすくする効果があります。目立つ色や柄の場合パッと見のインパクトは強くなりますが、その分、物の本質は見えづらくなります。一方、ニュートラルな色は主張が少ないため、物の素材や機能性といった品質に目を向けやすくなるのです。その結果、色や柄に左右されずに本当に良い物を選べるようになります。

北欧の人々の、良いものを長く使う、無駄な買い物をしない、というミニマルなライフスタイルや、そこから生まれるシンプルで心地よいデザインの背景には、配色が深く関わっているのです。

ラベンダーカラーと木や色ガラスのコンビネーションがトレンド

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穏やかな紫色は上品で優しい雰囲気の空間づくりができます。木製家具との相性も抜群です。

トレンドカラーは落ち着いた色調のラベンダーカラーです。インテリアのトレンドはファッションと違って長く続く傾向があるため、これまでの白やベージュといったニュートラルカラーも引き続き登場します。その一方で、ラベンダーカラーと同じ紫色系で深い色合いのプラムパープルや、レモンイエローのようなポップなパステルカラーといった色もお目見え。また、バーントオレンジやバーントレッドといった深みのある色も登場します。花瓶やテキスタイルといったインテリアの差し色に使うとニュートラルカラーにマッチして、トレンド感のある素敵なインテリアに仕上がるでしょう。

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ニュートラルカラーの壁にオレンジやイエロー系の小物で色を添えたインテリア。天然素材が鏤められて温かみのある空間に。

素材に関しては天然材料に注目が集まっています。黒やダークグリーンのインテリアと木目を活かした白いオーク材の組み合わせやラタン素材などは、昨年に引き続いて登場しています。新しくトレンドに加わったのは、キルティングのテキスタイルや色ガラスです。キルティングはベッドカバーや枕などに、色ガラスは大きな花瓶やキャンドルホルダーなどに見られます。トレンドカラーは、小物を使うと手軽で効果的にインテリアに取り入れられるのでおすすめです。

モノトーンでも北欧らしく

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チャコールカラーのシックな壁面。クッションで明るい色を足して木製家具で温かみを加えると、暗くならずに落ち着いた雰囲気を演出できます。

北欧デザインでは、ニュートラルカラーに映えるダークブルーやグリーン、グレーに加えて、黒い壁の人気も高まっています。黒はやわらかな色づかいの空間を引き締める効果があり、美しいコントラストを生み出すため家具にもよく使われる色です。黒やダーク系の壁には、天井や窓枠、モールディング、家具などに白を取り入れると、スタイリッシュな雰囲気づくりができます。一方、白い壁を基調にインテリアを構成する場合には、家具や小物などに黒い色を取り入れると北欧らしいスタイルができあがります。

ニュートラルカラーの住宅事例

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数種類のブラウン系カラーを巧みに組み合わせて上品でおしゃれな印象に。
(写真提供/royal building products)

黄みや赤みがかったブラウン、グレイッシュなブラウンなど、数種類を組み合わせてデザインされた外観。ペンキの場合は塗り分けても立体感は出ませんが、樹脂サイディングの外壁は陰影がプラスされて美しい外観に仕上がります。

ブラウン系の外壁は日本で多く見られますが、ラップサイディングを取り入れたり、デザインの異なる樹脂サイディングを組み合わせたりすることで、北欧スタイルの素敵な住まいになります。

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樹脂サイディングは汚れが付きづらいため、淡い色の外壁でもメンテナンスを気にする必要がありません。
(写真提供:royal building products)

真っ白な外壁に白い窓枠で明るさいっぱいの住宅。屋根や窓のサッシ、ウッドデッキに落ち着いた色を入れてコントラストを高めています。白やクリーム系といった淡い色の外壁に憧れるけれど汚れが気になってしまうという場合でも、樹脂サイディングであれば汚れを落としやすく、お手入れが簡単で安心です。縦張り、横張り、縦と横のミックス張りなどが楽しめるのも魅力でしょう。

ここ数年、家で過ごす時間が増えたため、これまで以上に快適性を家に求めるようになりました。至る所に自然のエッセンスが盛り込まれた北欧デザインのテイストを取り入れて、自分らしい住まいづくりをしてみてはいかがでしょうか。

北欧デザインの配色をヒントに自分らしい家づくり

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2020.06.30
※記事内容は執筆時点のものであり、予告なく変更される場合があります。最新情報をご確認ください。
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