家を長く健康に維持し続けるためには、定期的なメンテナンスリフォームが欠かせません。またそのための予算を見ておくことも必要です。今回は築年別に必要なリフォームと掛かる費用をまとめてご紹介、コストを削減するコツもご紹介します。
家は建てた時からがスタート。選んだ材料で先々の費用が変わる
家は建てた時からがスタートです。わが家を長く美しく、健康的に維持し続けるためには、定期的なメンテナンスリフォームが欠かせません。
そのまま放置しておくと劣化が進み、安全性が失われて危険になったり、快適性が劣ったりする可能性があり、後になって多額の費用がかかってしまうこともあります。
家にはさまざまな材料が使用されていて、それぞれに寿命が異なります。また材料ごとにメンテナンスの頻度や必要な費用が異なるため、初めに選んだ材料によって、先々に大きな費用の差が生まれます。
これらの費用を削減するポイントは、長寿命でメンテナンスがラクな材料を選び、劣化が進む前に適切なメンテナンスをすることにあります。そのためにも、わが家のメンテナンスのタイミングを、正しく把握しておきましょう。
築10年目のファーストメンテナンス。費用の目安は50万円~200万円
築10年目は最初にやってくる節目の時期、未来を決めるファーストメンテナンスのタイミングです。まずは家全体の点検を行い、劣化や腐食が無いかを確認、必要なメンテナンスをしっかり行っておきましょう。
築10年目に掛かる費用の目安は50万円~200万円程度です。金額に開きがあるのは、立地などの影響もありますが、初めに選んだ材料や工法によって、メンテナンスの費用が大きく異なるからです。
以前はこの時期に比較的大きな費用がかかっていましたが、最近は材料や工法の進化で長寿命化が進み、軽微なリフォームで済む家が増えています。
それでは築10年で必要になるメンテナンスリフォームをご紹介しましょう。こちらでご紹介してるのは、床面積30坪程度の木造一戸建て住宅での、一般的な工事での費用の目安です。現在の状況や地域によって、必要な工事内容と費用が異なりますので、まずは全体の点検をしてもらいながら、見積もりを取って確認をしましょう。
<防蟻工事>
- 防蟻の再処理 15万円~
防蟻処理は欠かさずに行っておくことが大切です。構造部分にシロアリの被害を受けると、耐震性能が大きく下がり、家の安全性が損なわれることがあります。防蟻工事を行なうと、施工証明書が発行されますので、期間を確認しておきましょう。
<外壁・屋根>
- モルタルの外壁の再塗装 80万円~
- サイディングのシーリングの打ち替え 30万円~
- 屋根の再塗装 60万円~
- バルコニーや屋上の再防水 10万円~
大事なことは雨水とシロアリから家を守ることにあります。また外壁や屋根の工事は足場が必要になるため、足場費用を含めた金額で検討する必要があります。
外壁・屋根は、使われている材料や工法により、メンテナンスの頻度や掛かる費用が異なります。再塗装やシーリングの打ち替えが不要な外壁材や、再塗装が不要な屋根材を選んでいれば、この時点では点検と水洗いなどの簡易なメンテナンスで済みます。
<家の内部>
- 追い炊き付きガス給湯器の交換 30万円~
- ガス給湯器からエコキュートへの交換 70万円~
- ガスコンロやIHクッキングヒーターの交換 10万円~
家の中で使われている機器類の寿命は10年程度が目安です。特に給湯器は壊れてしまうと、生活に支障が出やすいので、異音や水漏れなどがないかを、日ごろからチェックしておきましょう。
築20年目以降のメンテナンス。先に行くほど費用の差は大きく開く
築20年目以降のメンテナンスリフォームは、10年毎に繰り返して行なう必要があるものに加えて、外壁や屋根の状況によっては、大掛かりな補修や、張り替えや葺き替えなどが必要になることがあります。
メンテナンスに掛かる費用は、適切な時期を逃して内部まで腐食が進んでいると工事費が増大し、使われている材料の耐久性や工事方法によって、先に行くほど費用の差が開きます。
劣化が進んだ外壁や屋根は、補修と再塗装を繰り返すよりも、高耐久なサイディング材や屋根材を使ってリフォームしておくほうが、先々のメンテナンスの手間を減らし、トータルで見れば費用が安く済むことが少なくありません。
外壁や屋根のリフォームは、今ある材料の上から重ねて張るカバー工法での工事ができ、また玄関ドアや窓なども、カバー工法で工事をすることが可能です。
加えて、キッチンや浴室などの水まわりを新しくしたい、壁紙やフローリングなどの内装を新しくしたいといった、生活をより快適にするためのリフォームの要望も生まれてくる頃です。
更に築年数が古い家の場合は、耐震性能や断熱性能の向上リフォームも必要になります。
このように築20年目以降に掛かるリフォーム費用は、状況によって大きく異なり、トータルで300万円~2,000万円ほどが目安になります。
<防蟻工事>
- 防蟻の再処理 15万円~ 5年もしくは10年毎に繰り返し(保証書を確認)
<外壁・屋根>
- モルタルの外壁の再塗装 80万円~ 約10年毎に繰り返し
- サイディングのシーリングの打ち替え 30万円~ 約10年毎に繰り返し
- 屋根の再塗装 60万円~ 約10年毎に繰り返し
- バルコニーや屋上の再防水 10万円~ 繰り返し(保証書を確認)
- 外壁カバー工法による新規サイディング張り 150万円~
- 屋根カバー工法による新規葺き替え 150万円~
<家の内部>
- 水まわりの交換 キッチン・浴室・洗面・トイレ 200万円~
- 壁紙の張り替え 壁面積40平米で約6万円~
- 和室をフローリングに変更 6畳で約15万円~
- 間取り変更リフォーム 20万円~
- 断熱性能の向上リフォーム 無断熱から次世代省エネ基準へ 300万円~
- 耐震金物の取り付けリフォーム 10万円~40万円
- 耐震性能の向上リフォーム 旧耐震から新耐震へ150万円~200万円
家は建て替えを繰り返すよりも適切なリフォームで維持するほうが費用的にはずっとお得になり、リフォームの際にも材料や工法選びによって更に費用の削減が可能です。
メンテナンスは家の維持に欠かせないものです。適切な材料や工法選びをしつつ、タイミングよく工事を行って、費用の削減を目指しましょう。
築30年を越える家のリフォームのポイントは下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
またお得に、我が家に合った外壁リフォームを選ぶ方法は下記でご紹介しています。