外壁リフォームで思わぬ追加工事が発生し、慌ててしまうことがあります。中には納得がいかない高額な費用を請求されトラブルになってしまったケースも。今回は、実際にあった外壁リフォームの追加工事に関するトラブル事例と、どんな場合に追加費用が発生するのか、またその対策方法をご紹介します。
目次
外壁リフォームで実際にあったトラブル事例
工事開始後に見積り額の大幅増加
リフォームのトラブルが発生した際の相談先のひとつである「住まいるダイヤル」に寄せられた、外壁リフォームの追加工事に関するトラブル事例をご紹介します。
「住まいるダイヤル」とは、国土交通大臣から指定を受けた住宅リフォーム・紛争処理支援センターによる住宅専門の相談窓口で、年間3万件以上の電話相談を受けています。
外壁リフォームのトラブル事例
築15年の木造建売住宅で、屋根と外壁の塗装リフォームを行うことになり、リフォーム会社から見積りをとった。見積書作成の段階で建築士が来訪、その際に「壁が浮いているようで気になるところがある」と申し出たが、問題はないとのこと。
この会社には3年前に一度見積りを取った経緯があり、その際に金額が他より安かったため、今回は相見積りを取らず依頼を決断した。
しかし、この会社との工事契約後足場を掛け、塗装職人が壁を見たところ、壁の浮きがひどいために左官や木工事などの補修が必要で、追加費用が必要とのこと。工事金額は元の倍近くなるだろうと言われた。また工事をキャンセルするのであれば、足場費用は負担して欲しいと言われた。
※)「住まいるダイヤル」相談事例より抜粋 https://www.chord.or.jp/
この追加費用のトラブルを防ぐために、どうすればよかったか?
この追加費用のトラブルを防ぐためには、どうすればよかったのでしょうか?ポイントは3つあります。
1.相見積りを取る
今回は、以前に工事を頼んだ会社であることから、相見積りをとりませんでした。しかし、その時から外壁の状況が変化している可能性があります。外壁の浮きに関しても、他の会社にも声をかけ、複数の目で確認をしてもらえば事前に分かった可能性があります。
2.「安いから」という理由だけで選ばない
今回、依頼をしたリフォーム会社を選んだ理由は、「前回頼んだ工事の見積り金額が安かったから」というものでした。その金額が適切な工事を行うために妥当な金額であったかは、この相談からは分かりません。しかし、安過ぎる場合には注意が必要です。
適切な工事を行うためには、相応な費用が必要です。極端に安い場合は、人件費や材料費など必要なものを削って質を落とし、安くしている可能性があります。
これはいきなりの大幅値引きで契約を誘う場合も同じです。極端に安い、大幅に値引きをするといった手法は、悪質リフォーム会社の定番の手口であることも知っておきましょう。
3.信頼できる会社で家の定期点検をする
今回は、選んだリフォーム会社の建築士に大丈夫と言われたことで、このような結果になってしまいました。しかし外壁は近くに寄ってみないと分からないこともあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、信頼できるリフォーム会社や工務店で、定期的に家の点検を行っておくといいでしょう。最近では高所カメラを使って点検をしてくれる会社もあります。
外壁は一般には分かりにくい場所ですが、自分自身で定期的にわが家の状況を把握しておけば、このようなトラブルを防ぐやすくなります。
「住まいるダイヤル」の回答は、建築士が現地を見ていながら必要な見積金額を提示しなかったのは相手方の落ち度を追求する根拠にはなりますが、足場費用の負担や工事キャンセル、損害賠償などについては、様々なパターンが想定されるため弁護士に相談することを勧めています。
また壁の浮きを直す必要がある以上、他の業者に依頼しても当初の費用よりは高い工事代金が必要となるだろうとのことでした。
外壁リフォームで追加費用が発生する3つのケース
リフォームでは思わぬ追加が発生することが少なくありません。外壁リフォームで追加が発生するケースを3つご紹介しましょう。
1.工事が始まらないと分からないことがある
リフォームでよく聞くセリフに「開けてみて初めて分かった」というものがあります。これは壁を解体して初めて中が腐食していることが分かった、外から見ただけでは分からなかったというもので、追加の原因のひとつになっています。
外壁リフォームでもこのような追加が発生することがあります。特に高所は下から見上げるだけでは分からないこともあり、見えにくいひび割れ、雨水の侵入、下地の腐食、外壁の浮きなどがあれば補修が必要になり、追加費用が発生します。
これらは家の定期点検をしていれば、予測がしやすくなります。また見積りを受け取る際に、それ以外に追加工事の可能性があるものを前もって聞いておけば、予算が立てやすくなります。
2.外壁材や工事方法の変更をすれば費用は変わる
契約後に外壁材や工事方法を変更すると、工事費用も変わります。着工前であっても既に材料などの手配をしていれば、変更に伴って費用が発生します。契約後の変更による追加は、割高になりやすいので注意が必要です。
変更の理由は、事前の打合せ不足や確認不足が多くなっています。契約前に時間をかけて納得のいくまでしっかり打合せすることで、追加費用の発生を防ぎやすくなります。
3.最初から追加を目的に安く提示してくる悪質業者
最初は安い見積り額で提示をして、契約を済ませてから、着工後に別途工事として高額な追加費用を要求してくる悪質な業者もいます。訪問販売などで使われる手口です。
不必要な追加費用を出さないために、確認しておきたいこと
外壁リフォームには必要な追加工事もありますが、不必要な追加費用を出さずにリフォーム工事を行うために、以下の6つの点をしっかり確認しましょう。
- 相見積りを取って比較、確認をする
- 安いからという理由だけで選ばない
- 信頼できるリフォーム会社で定期点検をする
- 見積り時に追加の可能性を聞いておく
- 途中で変更をしないようにしっかり打合せ
- 悪質業者にだまされない
上手なリフォーム会社の選び方や外壁リフォームならではのポイント、将来のことを考えた外壁リフォームを実現した事例は下記でご紹介しています。参考にしてみてくださいね。